灰皿の脇の小さな箱を取り上げる。カサカサと音が軽いのは中身が少ない証拠だ。補充しておかねばと思いながら、咥え煙草ゆえにうまく舌打ちできず、どこか苛々した動作で1本取り出す。
ごく軽い擦過音とともに、小さく赤い炎がともる。
この瞬間の、燐の匂いが好きだった。
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(2005.1.21.)